育児休業と育児休暇が違うなら何が違うの?
上記のように育休という言葉は知っていても、育児休業と育児休暇の違いまでは分からない、という方は多いと思います。
この記事では、育児休業と育児休暇の違いについて、取得条件、取得可能な時期と回数、受取ることができるお金の4つの観点からご紹介します。
自分のためにもなるし部下を持つ人は知っておくと役に立つよ
育児休業と育児休暇の一番大きな違い
育児休業と育児休暇の一番の違いは法律で規定されているかどうか、です。
それぞれ詳しくご紹介していきます。
育児休業は法定のお休み
育児休業は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律で定められたお休みです。
そのため、育児休業については多くの企業で制度として確立されており、一定の要件を満たす労働者からの取得申請は会社は拒否することができません。
法律で決まってるお休みだから条件はあるけど取りやすいんだね
育児休暇は法定ではない個人的なお休み
育児休暇は法律で定められたお休みではないので、多くの場合個人的な休暇を育児のために取る、という扱いになります。
一部の企業では育児休業制度とは別に育児休暇制度を取り入れている場合がありますが多くはありません。
育児休業と育児休暇の細かい違い4つ
育児休業と育児休暇の根本的な違いは法定のお休みか否かですが、ここからは具体的にどのように異なるのかご紹介します。
取得条件の違い
育児休業の取得条件
法律で定められている育児休業は、取得するための条件が明確に定められています。
労働組合での労使協定有無などは若干複雑なため、簡単にまとめると主に以下の条件になります。
・育休を申請する会社での労働契約が子供が1歳6ヶ月になるまで満了する予定がないこと
上の条件に当てはまらない方も育児休業の取得ができる場合もありますので、会社の上司や人事、総務にまずは相談してください。
育児休暇の取得条件
育児休暇は法律で規定されている訳では無いため、取得に際して特段条件はありません。
これは育児休暇が、あくまで会社の制度の中で休日を取得し育児に充てるだけのためです。
育児休業とは別に育児休暇の制度を持っている会社では育児休暇を適用するための条件を付けている場合もあるため自分の会社の制度の有無、内容について確認しておくようにしましょう。
育児するために普通に会社を休むことは育児休暇なんだね
取得可能時期の違い
育児休業の取得可能時期
育児休業を取得可能な期間は原則、子供が産まれてから1歳を迎えるまでの間です。この期間は希望すればいつでも(1ヶ月前の取得申し出が必要ですが)育児休業に入ることが可能になっています。
しかし、この時期を逸してしまうと育児休業は取得できなくなるため注意が必要です。
また、育児休業は条件付きで延長することも可能なため、簡単に延長できる条件についてご紹介します。
育児休暇の取得可能時期
育児休暇はあくまで個人的にお休みを取り育児に充てるだけのため、いつでも好きな時に取得することが可能です。
ただし、会社に育児休暇制度がある場合は条件が付く場合もあるので注意が必要です。また、育児休暇制度が無い場合は年次有給休暇を使うことになるためこちらも注意が必要です。
取得回数制限の違い
育児休業取得回数制限
育児休業は長期間取得することが可能な反面、取得回数は1人の子供につき基本的に1回までです。
そのため、一度育児休暇から復職し、また育児休暇に入ることは子供の誕生から1歳未満になるまでの間でも認められていません。
しかし、男性に限り2回育児休業を取得する方法があるためご紹介します。
育児休暇の取得回数制限
育児休暇は個人的なお休みのため取得回数に制限はありません。しかし、年次有給休暇の中でやりくりする必要があるため実質年間で20日前後が最大になります。
育児休暇制度のある会社であれば年次有給休暇とは別に取得できる場合もあります。
受取ることができるお金の違い
育児休業で受取ることができるお金
育児休業中は会社からの給料は基本的に支給されません。これはノーワークノーペイ、働かざる者食うべからずの理念に基づいたものですが、これでは労働者が育児をすることは困難です。
そのため、育児休業期間中は会社からでは無く、雇用保険(国)から育児休業給付金が支払われます。
毎月天引きされてた雇用保険料には意味があったんだね!(感涙)
育児休暇で受取ることができるお金
育児休暇中も基本的に会社からの給料は支給されません。
また、法定のお休みでもないため育児休業給付金のような給付金制度はありません。
しかし、年次有給休暇使用時は問題なく会社からの給与が発生します。
また、育児休暇制度を持つ会社の中には給与支給の実質有給休暇と同等の扱いで育児休暇を取れる企業もあります。